Camera Control
Updated: 2026-05
1. このページについて
Runway の Director Mode(Gen-4.5 で利用可能)を使って、カメラの動きをスライダーで直接制御する手法を扱う。テキストプロンプトだけより遥かに精度が高い。
2. なぜ Director Mode か
テキストで “slow zoom in 50%” と書いても、AI は厳密に 50% を実行しない。50% かもしれないし、20% や 80% かもしれない。
Director Mode は 数値スライダーで指定 することで、この曖昧さを排除する。動画制作の最重要要素である「カメラの動き」を、勘ではなく 演出意図のままに 出せる。
3. 利用条件
- Gen-4.5 モデル を選択する(Gen-4 / Turbo にはない)
- Standard プラン以上 が必要。Free プランでは利用不可
- 入力は I2V(画像→動画)が中心。T2V でも一部使える
4. スライダーの種類
Director Mode の主要スライダー(2026年5月時点):
| スライダー | 効果 | 数値の意味 |
|---|---|---|
| Horizontal Pan | カメラの向きを左右に振る | -100〜+100。負: 左、正: 右 |
| Vertical Pan | カメラの向きを上下に振る | -100〜+100。負: 下、正: 上 |
| Zoom | 寄り引き | -100(引き)〜+100(寄り) |
| Roll | 傾き | -100〜+100。回転角度 |
| Tilt | 仰角・俯角 | 上方向/下方向の傾き |
各スライダーは 独立に組み合わせ可能。「ズームインしながら左にパン」「下にティルトしながら回転」など複合動作ができる。
5. 基本パターン
5.1 単一動作
最初は1つだけ動かす。
- Zoom +30: 緩やかなズームイン
- Pan Left -50: 中速で左にパン
- Tilt Up +40: 上方向に視線を上げる
「ちょうどいい量」を見つける感覚は反復で掴む。
5.2 組み合わせ
- Zoom +20 + Pan Right +30: 「右側にゆっくり寄っていく」
- Pan Left -40 + Tilt Up +30: 「左上方向を見渡す」
- Zoom -50 + Roll +20: 「不安定に引いていく」
複合動作は 映画的 な効果を生む。
6. プロンプトとの併用
Director Mode のスライダーを使っても、プロンプト側にカメラ動きを書いてよい。両者は 重ね合わせ で動く。
ただし矛盾を避ける:
- ❌ プロンプトに “static shot” + Director で Zoom +50 → 静止と動きが矛盾
- ✓ プロンプトでムード描写、Director で具体的な動き
役割分担:
- プロンプト: 何が映るか、雰囲気
- Director Mode: カメラの具体的な動き
7. ショットの文法を意識する
映画・映像の伝統的なショット用語:
| ショット | Director の組み合わせ例 |
|---|---|
| Establishing shot(情景把握) | Zoom -50(広く引く) + Pan で全体を見せる |
| Push-in(緊張・注目) | Zoom +40〜+80(被写体に寄る) |
| Reveal shot(隠れた要素を見せる) | Tilt Up(上から下へ)または Pan で広げる |
| Dolly out(孤独・離脱) | Zoom -30〜-60 |
| Whip pan(場面転換) | Pan +80〜+100(高速パン) |
これらの文法を使うと、AI 生成にもかかわらず映画的な見え方になる。
8. 落とし穴
8.1 動きが大きすぎると破綻
スライダーを最大値(±100)にすると、AI が物理を保てなくなって背景が歪む。±50〜70 が安定。
8.2 入力画像の構図が悪いと活きない
I2V で Director を使う場合、入力画像の構図 がカメラ動作の効果を決める。被写体が画面端にあると、ズームインで切れる。中央寄りがやりやすい。
8.3 短いクリップでは効果が出にくい
5 秒のクリップで複合動作を入れると慌ただしい。ゆったりした動きは 8〜10 秒を推奨。
9. 練習メニュー
Free プランでは Director Mode は使えないが、Standard 以上の Pro プランをグループで共有 している前提で、下記を試す。
- 同じ入力画像 + 同じプロンプトで、Director の値だけ変える
- パターンA: Zoom +30 のみ
- パターンB: Pan Left -50 のみ
- パターンC: 両方併用
- 結果を並べて比較し、Director の効きを体感
3 本で約 360 cr 消費(Gen-4.5 を 10 秒 × 3 = 360 cr)。グループ全体で1度やる練習として現実的。
10. プロンプトベースの代替
Free プランでは Director Mode が使えないので、プロンプトで近いことを表現する:
Slow dolly in toward the subject, smooth camera movement, cinematic.
Camera pans gradually from left to right, revealing the landscape.
精度は劣るが、カメラ用語を明示的に書く ことで Gen-4 / Turbo でもある程度は制御できる。
11. このあと
- References — 画像・動画リファレンスでさらに制御性を上げる
- Shot Planning — 絵コンテからショットを設計する
