1. RE:Flex Morph(静止画モーフィング)
ここでは静止画2つを利用したモーフィングについて紹介する。
下図は中安の画像とキリン画像によるモーフィング。RE:Flex Morph処理後の映像にタイムリマッピでイーズイン、イーズアウトを行っている。
モーフィング対象はどのようなものでも可能だが、例えばキリンの場合は耳の位置が人間と異なるので耳が変形途中で破綻する。スピードが早ければ気にならないが、違和感をなくしていくためには、別途中間画像を作成して調整する必要がある。
モーフィングは本来はありえない嘘の表現であり、生物的な正確さよりも、画像のどの部分が変化すれば面白いかという視点で制作していくとよい。
2. 練習演習
準備状況により、4. 課題演習のみを行う場合がある。
ここではRE:Flexのマニュアル付属の画像データを利用してモーフィングの練習を行う。
Macでは/Applications/REVisionEffects/REFlex5AE/REFlex5AEManual/images/の中にicture0.jpg、picture30.jpg(下図)が含まれている。
適当なフォルダ(下図ではmorph_tutorialの名称)を作成して、picture0.jpg、picture30.jpgをコピーする。同じフォルダ内にプロジェクトファイル(.aep)を保存する。
以降は、4. 課題演習と同じ流れ(4.3以降)で行う。詳細は授業内で指示。
3. RE:Flexデモ版の表示を目立たなくさせる方法
詳しくは授業内で紹介する。
・素材画像をできるだけ高解像度にする(静止画はプリコンポーズでも処理が軽いので可能)
・エフェクト > キーイング > 色範囲でデモ表示の色指定
・下レイヤーに素材をクロスフェードさせたものを配置する
4. 課題演習
4.1 課題内容
・使用する素材:自分の写真、友達の写真や著作権フリー素材(例:https://pixabay.com/ja/
・モーフィング時間:3秒
・提出データ:MP4
・提出方法:メールでギガファイル便で提出。課題共有Scrapboxへは中安がアップロードする。
4.2 素材画像の準備
2つの画像を準備する。利用目的にもよるがモーフィング効果を目立たせるためには背景は不要なのでPhotoshopで透明もしくは単色にする。
Photoshopの「選択範囲メニュー > 被写体を選択」から被写体の範囲を選択して反転させて背景ピクセルを削除する。うまく選択できない場合は、「選択範囲メニュー > 選択とマスク」から行う。
できるだけ、特徴点(目や口)が近い場所になるように位置やサイズを調整する。
背景を黒とした2枚の画像を準備した。
4.3 After Effectsプロジェクトへ素材の読み込み
プロジェクトに2つの画像を読み込む。
4.4 コンポジションの作成(prework)
2つのフッテージ(画像)を選択した後、右クリックのメニューから「複数アイテムから新規コンポジション」をクリックする。
下図のウィンドウでは、静止画のデュレーション(持続時間)を3秒に設定してOKを押す。
2つのフッテージをレイヤーとして配置したコンポジションが作成される。
コンポジション名が元の画像ファイル名になっているので、プロジェクトパネルでコンポジションの名前を変更する(下図ではprework)。
4.5 スタートフレームと終了フレームの調整
0秒をモーフィング前の画像(中安写真)、2:29をモーフィング後の画像(キリン)として、それぞれのフッテージの持続時間が1フレームになるように調整する。
4.6 コンポジションの作成(reflex_output)
プロジェクトパネルのpreworkコンポジションを右クリックして、「複数アイテムから新規コンポジション」をクリックする。
新しくできたコンポジションの名称をreflex_outputに変更する。reflex_outputの中にpreworkが入っている状態となる。
4.7 RE:Flex Morphエフェクトの設定
reflex_outputの中のpreworkを選択した上で、エフェクトメニュー > RE:Vision Plug-ins > RE:Flex Morphをクリックする。
左のプロジェクトパネル部分にエフェクトコントロールが表示されるが、レイヤーの要素を開いて、エフェクト > RE:Flex Morphのパラメータを表示する。
Picture Keyを下図のように設定する。
4.8 RE:Flexデモ版の表示を目立たなくさせる方法(参考)
必要な場合は以下の処理(ここでは2番目以降)をする。​​​​​​​
・素材画像をできるだけ高解像度にする(静止画はプリコンポーズでも処理が軽いので可能)
・エフェクト > キーイング > 色範囲でデモ表示の色指定
・下レイヤーに素材をクロスフェードさせたものを配置する
4.9 マスクの作成
マスクパスの描き方は4.10参照
時間インジケータを0フレームに移動して、下図のようにモーフィングの基準となるオープンパス(クローズパスは不可)を描いていく。マスクパスではキーフレームを追加する。マスクパスは多数必要になるため、マスク名はわかりやすい名称に変更する(下図ではleft_eye_upper)。マスクパスの色を必要に応じて明るい色などに変更する。
時間インジケータを2:29に移動して、マスクをキリンに合わせていく。マスクパスのキーフレームはONになっているので、パスを編集した時点で自動的にキーフレームが追加される。
時間インジケータを左右にドラックして、モーフィングの状態を確認する。この時点では左目部分のみなので、あまり効果は感じられない。
試行錯誤しながらマスクパスを追加してく。
下図は29個のマスクパス。この作業だけで1〜2時間程度かかる。
4.10 マスクパスを描くコツ(慣れが必要)
Illustratorのベジェ曲線に近い操作だが若干異なるので注意。ベジェ曲線に慣れていない場合はベジェ曲線特訓で練習する。
コンポジションパネルの移動・スケールは以下。
手のひらツール:スペースキー+左ドラッグ
ズームツール:スクロールホイール
パスの描画と編集では、下図のペンツールと選択ツールを切り替えながら行う。
ペンツールは長押しすると下図のように切り替えることができる。実際には、頂点の追加や削除は状況に応じてカーソルが自動で切り替わる。頂点切り替えツールはOptionキーでも操作できるのでメニューでの切り替えはほとんど使わない。
一つのパスを描き終わったら、選択ツールに切り替えておく。頂点の移動は選択した頂点周りであればペンツールでも可能だが、パスを閉じる場合もあるので、選択ツールに持ち替えて行う方がミスが少ない。
マスクパスの描画は、慣れるまで誤操作が頻発する。不要なクリックで異なるマスクの作成、レイヤー非選択状態でペンツールを使ってシェイプレイヤーを作成してしまう場合もある。タイムラインの状態を確認しながら、Cmd+Zで取り消すなどして、丁寧に操作していく必要がある。
4.11 その他の設定
必要に応じて、以下の設定を利用する。
Hold Edges:画像サイズの矩形の維持の設定。Boundaryを利用する方法もある。
Match Vertices:頂点位置の影響
Auto Align:特徴点の自動調整
Smart Blend:変形による空白部分への表示の設定
4.12 レンダリング
レンダリング方法は授業内で解説する。
レンダリングした映像。
用途によるが、等速でモーフィングしただけでは味気ないので、タイムリマップでイーズイン、イーズアウトを追加したもの。方法は授業内で解説する。
5. チュートリアル映像
マスクパスの描き方にはコツがある。以下、参考になるチュートリアル映像。
Auto Align、Smart Blend、Hold Edgesに関する解説。
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