![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/94014ea9-30f4-4ae2-b58d-e2e4dc360bca_rw_1200.jpg?h=931dfda6ffc640b63ccb6e45712435c4)
1. タイムリマップとは
タイムリマップ(Time Remapping)は、動画の再生スピードを一定ではなく、変化させる表現手法。次で紹介するスーパースローのように緩急をつけることで劇的な印象を与えることができる。一方で、TVドラマや映画、CM等でも、わからない程度にタイムリマップすることで印象をコントロールしている場面も多い。タイムリマップ機能はAfter EffectsやPremireにも実装されている。ここではAfter Effectsを用いた演習を行う。
2. スーパースローとの併用(紹介のみ)
近年のiPhoneでは240fpsのスローモーションも撮影できるが、1000fps程度のスーパースローでは肉眼では想像できない視覚効果が生まれ、それだけで詩的な情景となる。タイムリマップは緩急の落差が高いほど効果的であり、スーパースローと同時に利用すれば、以下のような映像表現が可能となる。これらは高速度カメラを利用せずにTwixtorプラグインで実現したもの。Twixtorについては高野光太郎氏のチュートリアルが参考になる。
下映像では、ミュージックビデオの中でタイムリマップが多様されているが、歌う口の動きと音楽が合っている。予想だが、最終的にどこをスローにして、どこを早送りにするかを決めた上で撮影時に流す音楽を逆のスピードで編集してから撮影を行っていると思われる。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/b4d4b668-fc58-44a1-93b7-2648594b4201_rw_1200.jpg?h=21658589c70d34e6be98753e7f60fae3)
ダウンロードした080164306-slow-motion-wall-flip-architec.mp4を利用する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/6dc83c38-5cf6-4593-9d9c-dc36d521c3b5_rw_600.jpg?h=276939effd2e9f7c275a7bceb8b61ad5)
4. プロジェクトの準備
4.1 フォルダの作成とフッテージ(動画データ)の整理
ae_projectフォルダ > media > フッテージ(mp4)のフォルダ構成とする(任意)。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/bf59e314-31d5-4b12-8429-fac869a83a97_rw_600.jpg?h=7dfd0c1f999fff28ca61ba2803fb6dd9)
4.2 After Effectsの起動
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/ef3b0df8-398c-42b5-9cdd-1fbfa54ff4dc_rw_600.jpg?h=1091cd3dd53f1cbd6358c698acb759b4)
4.3 プロジェクトの保存
「ファイルメニュー > 別名で保存 > 別名で保存」をクリックする。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/8e84e8fe-818b-466e-a4c5-466e5e4b2dab_rw_600.jpg?h=1f38a7177ec8ed6d7092762f1a3d621c)
保存先をae_projectを指定して、ファイル名をtimeremapping.aep(任意)とする。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/efd3ee91-a44a-4dc4-8f8c-17da6339ccb7_rw_600.jpg?h=8511425ec67a0f6b05e91e214aeff6c8)
4.4 フッテージの読み込み
ファイルメニュー > 読み込み > ファイル、もしくは、プロジェクトパネルにフッテージをドラック&ドロップする。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/83879446-a27d-47b9-8968-eb08da1ef95f_rw_600.jpg?h=454bfb0bb525ddab621bf884afcc7f49)
プロジェクトパネルでフッテージを選択している状態では、上部にサムネイルと情報が表示される。今回利用しているフッテージは以下であることが確認できる。
・サイズ:960 x 540
・ピクセル縦横比:1.00
・デュレーション(持続時間):9;06
・フレームレート:59.54fps
・コーデック(動画圧縮形式):avc1(=H.264, MPEG-4 AVC)
・ピクセル縦横比:1.00
・デュレーション(持続時間):9;06
・フレームレート:59.54fps
・コーデック(動画圧縮形式):avc1(=H.264, MPEG-4 AVC)
4.5 新規コンポジションを作成
プロジェクトパネルのフッテージを右クリックして「複数アイテムから新規コンポジション」をクリックする。フッテージの仕様に合わせたコンポジションが作成される。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/f53ddb1d-2fd6-4bec-8cab-dc7b50a62ef7_rw_600.jpg?h=f309630abde8ef94e214153bdf9da68d)
プロジェクトパネルにコンポジションが追加され、タイムラインにはフッテージがレイヤーとして読み込まれる。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/f5d4d7d0-27fc-4515-b374-453cb4d8e5c1_rw_1200.jpg?h=06fe13a70e0652109f822a8fef8d8556)
コンポジションの名称がフッテージの名称のままなので、comp1のように短い名称に変更する。名称変更はクリップを選択してEnterキーで文字入力モードに入り、Enterキーで確定する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/f964e04e-5b56-4b78-acf8-5ccbeee48918_rw_600.jpg?h=1e442769e6a7c849dc5d27c7166d7ece)
5. タイムリマップの編集
5.1 映像の確認
プレビューパネルの再生ボタンを押すか、スペースキーを叩いて再生して映像を確認する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/4e580d67-cc30-49e7-b46e-5b48ffa447aa_rw_1200.jpg?h=41af5b337e3ecfcfb0008358ef6685c2)
5.2 タイムリマップの有効化
タイムラインのレイヤーを右クリックして表示されるメニューの「時間 > タイムリマップ使用可能」をクリックする。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/193cd6e0-e233-4c61-af40-b290f1ce6b94_rw_600.jpg?h=8845d68b331a4c1ac7342839b8eea942)
フッテージレイヤーにタイムリマップが表示され、始点と終点のキーフレームが追加される。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/112d7a2b-bf1b-4305-9a5f-112c4ac06e82_rw_1200.jpg?h=bbcdebe2a3cb4daa37977bfff8737b6e)
5.3 キーフレームの追加
時間インジケータを動かして、スローモーションを開始したい場所に移動する。下図では4秒10フレーム位置。その後、レイヤーのタイムリマッププロパティ左側の◆をクリックして、キーフレームを追加する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/2d3f2e22-49bb-48ae-8c6a-862867c81b68_rw_1200.jpg?h=ba64e02a2ae131014c0c788753f58701)
現在位置の移動では、タイムコードをクリックして直接入力することもできる。4秒10フレームであれば「410」と入力してENTERキーで確定する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/e7464ad8-d58a-4116-85e8-f5379656baec_rw_600.jpg?h=18855fff2bbe7e35a1d25ca83745cc82)
スローモーションの終了位置に時間インジケータを移動する。下図では5秒50フレーム位置。レイヤーのタイムリマッププロパティ左側の◆をクリックして、キーフレームを追加する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/9ea02113-6cbc-4edb-bcc4-97470ef4e4ff_rw_1200.jpg?h=a63dc84d91961770194697c969539cad)
5.4 キーフレームの移動
キーフレームを下図のように移動する。間隔が広がった部分はスローになり、狭くなった部分は早送りになる。今回は元の映像がスローモーションなので、早送りした部分が実時間再生に近くなる。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/72931041-bb8b-40a9-8d3f-34dcd6c4b68c_rw_1200.jpg?h=d6db1d7461e4867b80b9f4c897da6361)
プレビュー再生して、映像を確認しながら微調整を行う。厳密な再生速度にする場合はフレームレートやキーフレームの間隔を計算する必要がある。
5.5 タイムリマップの再調整時の注意点
通常のキーフレームの挙動とは異なり、タイムリマップのキーフレームは映像フレームと連動する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/a27ea93b-c030-409b-8b88-3cad7cef7824_rw_1200.jpg?h=15c6177e11d6c16c0d791b529c5ca394)
タイムリマップのタイミングを変えたい場合は、時間インジケータを移動させてながら映像を確認してキーフレームを追加して、元のキーフレームを削除する必要がある。わかりにくい場合は、自分で追加した全てのキーフレームを先に削除した上で、コンポジションパネルの映像プレビューを確認しながらキーフレームを打ち直して調整する。
5.6 レイヤーの長さ調整(参考)
タイムリマップを有効にした場合は元の動画データよりも長いデュレーションに設定できる。
コンポジションメニュー > コンポジション設定から、コンポジションのデュレーションを元動画よりも長く(下図では15秒)設定する。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/5aefed79-2666-4410-a788-76f81a7320ee_rw_600.jpg?h=c335d0fed8bfadf3ef0161fe837d5fd4)
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/5059ceb2-fd09-4dfa-8323-ad0c65a35666_rw_600.jpg?h=4aedc041df097c9e79636d30a7adf368)
レイヤーの端をドラッグして長くすることができる。通常の動画レイヤーでは短くすることはできても長くすることはできないが、タイムリマップを有効にした場合は、静止画レイヤーと同様に長さ調整が可能となる。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/11bff4ca-c44c-47fd-a806-84a551d8a038_rw_1200.jpg?h=f30ce4d65c5cad80c47a820cc60b3908)
6. ロゴ調整(参考)
授業内で紹介する。
・ロゴ画像(透明PNG)をウェブ検索でダウンロードして、レイヤーの一番上に配置する
・ロゴ画像の大きさと位置を調整して、透かしロゴに合わせる
・タイムリマップしたmp4レイヤーを複製する
・複製したmp4レイヤーのトラックマットにロゴ画像を指定する
・複製したmp4レイヤーにトーンカーブを設定して明るさを調整する
・必要に応じて、調整レイヤーにブラーとマスクを設定してもよい
・ロゴ画像の大きさと位置を調整して、透かしロゴに合わせる
・タイムリマップしたmp4レイヤーを複製する
・複製したmp4レイヤーのトラックマットにロゴ画像を指定する
・複製したmp4レイヤーにトーンカーブを設定して明るさを調整する
・必要に応じて、調整レイヤーにブラーとマスクを設定してもよい
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/6d8500a7-acf6-4a33-91da-f669bc1d479e_rw_600.jpg?h=ae7898b6bcf089f0d7f3d9e732d0e8a1)
7. 書き出し
mp4に書き出す場合はAdobe Media Encoder経由で行う。Media Encoderの使い方は以下参照。
![](https://cdn.myportfolio.com/9dc1d2d9-3bfc-4c09-8745-b82529bfc2d1/a52729e4-3e72-4dcb-bb94-cd8d5c783428_rw_600.jpg?h=a1a10d08b2c5722734df837a4b86d57c)