1. Matterportとは
3D Scanningの撮影及びクラウドによる編集、公開までを一括で行えるバーチャルコンテンツ開発システム。iOS、Androidデバイス、360度カメラRicoh Theta、Matterpot Pro、Leica BLK 360等の撮影機器に対応。クラウドシステムによるコンテンツ編集を行うことで、テキスト情報、YouTube映像の追加、プロモーション映像の自動生成等が可能。バーチャルミュージアム、バーチャルトラベリング、建築、施工のための情報共有ツール等、様々な分野に利用されている。
2. Matterport Discover
高品質のバーチャルコンテンツが公開されているので、体験してみよう。
マウス操作
・左クリック:移動、タグの操作等
・左ドラック:ビューの回転
・右ドラック:ビューの移動
・ホイール:ビューのズーム
・左クリック:移動、タグの操作等
・左ドラック:ビューの回転
・右ドラック:ビューの移動
・ホイール:ビューのズーム
3.2 森美術館『未来と芸術展』3Dウォークスルー
4. ライセンスの種類
無料、スターター、Pro&Business、エンタープライズの4つのライセンスが用意されている。
特に、Matterport ProやLeicaの高機能カメラを利用するためにはPro以上のライセンスが必要となる。今回は無料ライセンスを利用する。無料ライセンスでは1アクティブスペースのため、用途は限られるが、スマートフォン上でのスキャン数に制限はなく、クラウド上で作成したスペースはアーカイブすることもできるため、複数のコンテンツを切り替えることで実験を行うことができる。
特に、Matterport ProやLeicaの高機能カメラを利用するためにはPro以上のライセンスが必要となる。今回は無料ライセンスを利用する。無料ライセンスでは1アクティブスペースのため、用途は限られるが、スマートフォン上でのスキャン数に制限はなく、クラウド上で作成したスペースはアーカイブすることもできるため、複数のコンテンツを切り替えることで実験を行うことができる。
5. 演習の流れ
6. アカウント作成
※2022年10月時点の方法
下記URLへアクセスする。国内からでは自動的に日本語ページへ誘導される。
下記URLへアクセスする。国内からでは自動的に日本語ページへ誘導される。
下図右上のログインをクリックする。
下図のSign up for freeをクリックする。
氏名、メールアドレス、パスワードを入力して、次へをクリックする。
組織名(=ワークスペース名)を英語で入力する。
学生の業種は教育でよいと思われる。「私は人間です」の画像選択を行い、終了をクリックする。
クラウドシステムに自動的にサインされて、Workspaceが表示される。
7. サンプルコンテンツ体験
サンプルコンテンツが用意されている。Matterportでどのようなことが可能になるかを体験できる。サンプルコンテンツはライセンスの制限には含まれないので、削除せずにそのまま残しておいて問題ない。なお、サンプルコンテンツは編集を体験することはできるが、公開することはできなう。
上図のGet Startedをクリックして、下図の画面の再生アイコン(画面どこでもよい)をクリックする。
初期画面では下にガイドツアーが表示されている。下図左下の▽をクリックして、ガイドツアーを閉じる。左ドラッグで視点移動。左クリックで進む。移動ポイントは決まっているので、クリックだけで進むことができる。
コンテンツ内には、様々なタグが配置されており、マウスオーバーすることで情報を表示することができる。タグには、テキスト、画像、映像、音楽等が設定可能。バーチャル上の3D空間の散策だけでなく、これらの情報を付加することで、空間体験と同時に様々な情報を得られるコンテンツを作成することができる。
階段を利用して、異なる階に移動することも可能。複数階のコンテンツ開発にはMatterport Pro等の距離センサを持つカメラでの撮影を必要とする場合がある。
左下メニューでは、他のビュー表示への切替、測定、ハイライト再生(自動作成可能)等の機能を利用することができる。
ドールハウス表示では、左ドラックでビュー回転、マウスホイールでズーム、右ドラッグで移動することができる。目的の場所をクリックして3D探索表示に戻ることができる。
平面図表示では、上からの視点で確認することができる。複数階あるコンテンツでは、フロアセレクターも同時に利用するとわかりやすい。
下図右上の「編集」をクリックすることで、編集モードに入ることができる。
本演習では編集は実際の撮影後にレクチャーする。左上の終了を押してスペースプレビュー画面に戻る。
コンテンツリストに戻るには、上部「全スペース」または左メニューの「スペース」をクリックする。
8. 公式YouTubeチャンネル
Matterportの公式YouTubeチャンネルではチュートリアルが充実しており、使い方のほとんどを動画で学ぶことができる。
9. スマートフォンアプリのインストール
ここでは基本的にiOSアプリを前提に解説していく。
9.1 Captureアプリのインストール
撮影用のCaptureアプリ(名称はMatterport)とコンテンツ視聴用のShowcaseアプリの2種類がある。今回はCaptureアプリのみをインストールする。Showcaseのインストールは任意。
下記は、CaptureアプリのURL。
iOS用 https://apps.apple.com/us/app/matterport-capture/id701086043
(iOS14以降、iPhone6s以降、iPad Air2以降が必要)
(iOS14以降、iPhone6s以降、iPad Air2以降が必要)
9.2 iOS用解説動画
5分程度を3本(後述2本)の動画でおよその使い方がわかる。
9.3 Android用解説動画
9.4 アプリのサインイン
クラウドシステム用に作成したアカウントと同じメールアドレスとパスワードを利用して、アプリにサインインする。
下図のログインをクリックする。バージョンや状況(再度のログイン)によって画面は異なる。
メールアドレスとパスワードを入力してSIGN INをクリックする。
サインインが完了して、ワークスペース名が表示される。左上のXをクリックする。
右下の+をクリックする。
新しいジョブが作成され、iPhoneの情報をもとに自動的に現在地住所が入力される。テスト段階では変更しなくてもよい。クラウドシステム側で公開する際に変更することも可能。
新しいジョブの画面のまま、下へスクロールするとモデルの情報を登録できる。
モデル名がコンテンツ名称にもなるので、わかりやすい名称を設定する。下図では「test日付」で設定。クラウドシステムで後から変更も可能。
モデル名がコンテンツ名称にもなるので、わかりやすい名称を設定する。下図では「test日付」で設定。クラウドシステムで後から変更も可能。
スキャン準備画面が表示される。
下図のオプションをクリックする。
下図のオプションをクリックする。
スキャンオプションでは、3Dスキャンと360キャプチャーの2つの中から撮影プロセスを選択できる。一つのモデルの中で、2種類の撮影プロセスで撮影して、コンテンツの中に混在させることもできる。本演習では、3Dスキャンのみを扱うが、360キャプチャーを取り入れてもよい。
10. スマートフォン撮影とアップロード
10.1 はじめに
本演習では、屋内の比較的狭い空間のキャプチャーを扱う。
下図は都立大2号館SD Galleryの事例。撮影ポイント17箇所で撮影時間40分程度。できるだけ多くのポイントで撮影した方が解析精度があがるが、労力もかかる。特にスマートフォンでの撮影はカメラを中心として回りながら撮影する必要があり、正確な解析のためには撮影のコツをつかんでおく必要がる。
Captureアプリでは、撮影データを元にカメラ位置のAlignment処理を行う。このAlignment処理は古いスマートフォンには負荷が高く、電力も消費するので、電池残量がある状態で撮影を行う必要がある。処理進行中には熱の警告が出る場合もある。
10.2 チュートリアル動画
本演習はチュートリアル動画の通りに行うわけではないが、撮影のコツ等参考になるので動画を確認しておくこと。
10.3 撮影のコツ
上の動画の説明のように、カメラを中心にして自分が動きながら撮影していく。難しい場合は、なんらかの棒やホウキを利用する。
撮影ポイントは1.2〜1.5m(4〜5 ft)程度離れた場所で撮影していく。
10.4 (参考)Matterport Axis
Matterport Axisを使うことで、スマートフォンの撮影を自動化することができる。本演習では使わないが、Axisの動きを見れば、手動撮影の際にもスマートフォンの中心を動かさないようにすることが必要だと理解できる。
10.5 マーク機能(トリミング、窓、鏡)
スマートフォンのAlignmentの段階で、トリミング、窓、鏡の設定ができる。透過や反射する窓や鏡は空間としては正しく解析できないので、あらかじめ設定しておくことでその部分だけ平面画像として扱われる。トリミングはクラウドにアップロードした後も設定可能だが、窓と鏡はスマートフォンの段階でしか設定できない。
下図右下のマーク機能アイコンをクリックする。
マーク機能では、上のメニューでトリミング、窓、鏡を切り替える。下ボタンで追加、削除。マップ上にドラッグしてマークしていく。
10.6 アップロード
撮影とマークが完了したら、モデルをアップロードする。右上のアップロードをクリックする。
マークが設定されていない場合は下図の警告が表示される。マークが必要なければそのままアップロードする。
Proライセンス以上であれば、自動的に人間の顔にぼかしを入れる機能を設定できる。ただし、人形などにもぼかしが入る場合がある。
11. Matterportクラウドシステム概要
11.1 クラウドシステムにアクセス
左メニューのスペースをクリックして、全スペースを表示する。
アップロード直後は、解析処理が終わっていないので、下図のように処理中のサムネイルが表示される。解析処理は撮影ポイントの数や撮影画像の状態によって変動する。10ポイントで数十分〜1時間、100ポイントで数時間、1000ポイントでは3日間程度要する場合もある。
処理が完了されれば、下図のように、サムネイル画像を表示される。アカウントのメールにも処理完了のお知らせが届く。
上図のサムネイル(文字でもよい)をクリックする。
11.2 スペースタブ
下図の再生アイコン(画像でもよい)をクリックする。
バーチャルコンテンツが読み込まれる。公開時と同じ状態で操作しながら確認することができる。
マウス操作
・左クリック:移動、タグの操作等
・左ドラック:ビューの回転
・右ドラック:ビューの移動
・ホイール:ビューのズーム
・左クリック:移動、タグの操作等
・左ドラック:ビューの回転
・右ドラック:ビューの移動
・ホイール:ビューのズーム
11.3 詳細タブ
公開時の情報を設定できる。
11.4 アドオンタブ
高度な機能を持つアドオンが複数用意されている。有料オプションなのでここでは扱わない。
11.5 ダウンロードファイルタブ
プロモーションに利用しやすい動画や画像が自動的に作成される便利な機能。
12. 編集
12.1 チュートリアル動画
若干現在のバージョンと異なる部分があるので注意。
12.2 編集モード
右上の編集をクリックする。
ここでは、右側メニューのピンク枠のものだけを扱う。
12.3 トリミング
不要な部分のトリミングを行うことができる。スマートフォン側では平面図上のトリミングしかできなかったが、高さ方向のトリミングも細かく設定可能。
12.4 開始位置
コンテンツを開いたときの開始位置を設定できる。マウス操作で開始位置まで移動して、下の設定ボタンをクリックする。上の「クリックしてプレビュー」を押して、オープニングアニメーションを確認することができる。
12.5 ラベル
ラベルは、平面図やドールハウスで表示される場所を表すテキスト。探索モードでは表示されない。
ラベルの追加や移動はドールハウスでも行えるが、平面図の方がわかりやすい。
12.6 タグ
タグを利用することで、テキスト、画像、動画、ダウンロードデータ等、3Dスペースに様々な情報を付加することができる。タグを効果的に利用することで、体験度の高いコンテンツを作成することができる。
12.7 3Dスキャン(移動範囲の設定)
スキャンポイントの非表示(移動不可)の設定を行うことができる。わかりやすい移動経路の編集や見せたくない場所に近づかせない場合にも利用する。
12.8 編集モードの終了
左上の終了をクリックする。
13. スペース数の制限内でのやりくり
13.1 無料ライセンスの制限
無料ライセンスでは、アクティブスペースが1つしか設定できない。そのため、アクティブになっているスペースをアーカイブした上で、スマートフォンで撮影したモデルをアップロードする必要がある。アーカイブしたスペースは、編集ユーザーとしてコンテンツの確認さえもできなくなるので注意。
13.2 スマートフォン内のモデルデータ
スマートフォンで撮影したモデルデータの数に制限はない。サインインするアカウントを変更してもスマートフォンに保存されているデータに影響しないので、モデル毎に無料アカウント用や有料アカウント用に分けてアップロードすることも可能。
13.3 スペースのアーカイブ
全スペースのリスト右側の︙(アクション)をクリックして、「スペースをアーカイブ」をクリックする。無料ライセンスでも全スペースをアクティブ化していれば、スマートフォンから追加でモデルをアップロードすることができる。
13.4 スペースのアクティブ化
アクティブ化したスペースの︙をクリックして「スペースをアクティブ化」をクリックする。
14. 公開設定
スペースのコンテンツページ右上の共有から公開設定を行う。
プライベート、パスワード保護、非掲載、公開の4種類の公開方法が用意されている。
下図のラジオボタンで公開方法を選択。リンクや埋め込みコードは右上からコピーできる。
下図のラジオボタンで公開方法を選択。リンクや埋め込みコードは右上からコピーできる。
授業の課題提出は非掲載の設定でURLを提出する。著作権等問題ないと判断されるなら公開設定でもよい。