1. Lightning Doodleとは
Lightning Doodle(光りの落書き)は、Light PaintingやLight Drawingとも呼ばれ、光の軌跡によって描かれた写真のこと。カメラのシャッタースピードを遅くして光りの軌跡を撮影するこの技法は、1914年頃にMotion Study(動作分析)のパイオニアであるFrank Gilbrethと妻の Lillian Moller Gilbrethが、作業員の動きを調べるために小さな明かりを使って、シャッターを開放したまま写真を撮影したのがはじまりだと言われている。(下図)
銀塩写真の時代にもアーティスト達によってこの技法を使った作品が作られていたが、近年のデジタルカメラやLEDライトの登場により再注目され表現力の高い作品が作られている。現在ではCG技術が発達しコンピュータだけでもこのよう表現を生むことが可能になってはいるが、デジタルカメラと懐中電灯という簡単な道具とジェスチャー(身体表現)を使うことによって生み出されるLightning Doodleは、子供でも大人でも比較的容易に面白い表現ができるため、アート作品や結婚式のムービー用など多くの作品表現に利用されている。
2. いろいろな作品
日本のアーティストTOCHKA(トーチカ)が、この技法を使った映像作品(PiKAPiKA)を作って話題になった。
TOCHIKAの金沢でのワークショップ作品。
世界中にこの手法が広まったことで、様々な作品が発表されている。
下映像はメイキングも公開されている。Light Warfare - Behind the Scenes
日中のLightning Doodle by TOCHKA。
3. 撮影に必要な道具
シャッタースピードを遅くして撮影する場合は、手持ちではブレが大きいので必ず三脚を利用する。カメラはミラーレス一眼 or デジタル一眼レフがベストだが、コンパクトデジタルカメラでもシャッタースピードを遅くすることができるものであれば利用できる。
ライトは、線を描くにはペンライトが適しているが、コンサート用の棒状のライトを使えばオーロラのような図形を描くこともできる。いろんなライトを試してみることで面白い効果も生まれる。
4. カメラの基礎知識
一眼カメラを扱うためには他にも必要な知識はあるが、ここではシャッタースピードを遅くして撮影することに関係するものだけ記載する。
5. カメラの設定概要(Nikon D90)
Nikon D90での設定方法を紹介する。古い機種だが、Nikon系であれば似た操作のため参考として掲載する。Canon EOS Kiss(X7i)に関しては旧サイトに掲載している。
ここでは一眼系カメラの基本操作を理解していることを前提に、シャッタースピードを遅く撮影するための設定のみ掲載している。
5.1 Nikon D90マニュアル(参考)
5.2 基本設定
・撮影画質:M or S あまり大きいとSDカードの容量や編集時のPCに負荷がかかる
・感度自動制御:OFF
・ISO:200 必要に応じてLo0.3(ISO80相当)〜Lo1.0(ISO50相当)
・ホワイトバランス:固定 オートではなく固定した方が色味が安定する
・ストロボ:なし 今回利用するシャッター優先(S)、マニュアル(M)の場合は手動(ボディレンズ付近のボタン)で操作必要なので設定不要
・フォーカス:マニュアル(ボディ側で切り替え) 最近のミラーレス一眼と異なり、液晶表示だけではフォーカスが合わせずらいので、ファインダーで確認するか、撮影後の状態を見てある程度感覚で調整が必要。今回の撮影ではオートではボケる可能性が高いのでオススメしない。
・Lv:なし Lv(ライブプレビュー)ではシャッター半押しの露出決定に時間がかかるので、基本的にはビューファインダーで確認する。最近のミラーレス一眼より使いづらい。
・感度自動制御:OFF
・ISO:200 必要に応じてLo0.3(ISO80相当)〜Lo1.0(ISO50相当)
・ホワイトバランス:固定 オートではなく固定した方が色味が安定する
・ストロボ:なし 今回利用するシャッター優先(S)、マニュアル(M)の場合は手動(ボディレンズ付近のボタン)で操作必要なので設定不要
・フォーカス:マニュアル(ボディ側で切り替え) 最近のミラーレス一眼と異なり、液晶表示だけではフォーカスが合わせずらいので、ファインダーで確認するか、撮影後の状態を見てある程度感覚で調整が必要。今回の撮影ではオートではボケる可能性が高いのでオススメしない。
・Lv:なし Lv(ライブプレビュー)ではシャッター半押しの露出決定に時間がかかるので、基本的にはビューファインダーで確認する。最近のミラーレス一眼より使いづらい。
撮影後のモニタープレビュー後はシャッター半押しして、撮影準備状態にしないとシャッタースピードや絞りの変更ができない
5.3 シャッター優先の場合(推奨)
・ボディ左上のダイヤルを回転してS(シャッター優先)に切り替える
・ボディ右手前のダイヤルでシャッタースピードを5〜8秒程度に変更
・ボディ右上の露出補正を-5程度に変更
・撮影画像が明るい場合は、暗い場所に移動して撮影するか、レンズにNDフィルターが必要。
・ボディ右手前のダイヤルでシャッタースピードを5〜8秒程度に変更
・ボディ右上の露出補正を-5程度に変更
・撮影画像が明るい場合は、暗い場所に移動して撮影するか、レンズにNDフィルターが必要。
5.4 マニュアルの場合
・ボディ左上のダイヤルを回転してM(マニュアル)に切り替える
・ボディ右手前のダイヤルでシャッタースピードを5〜8秒程度に変更
・ボディ右手奥のダイヤルで絞りF22程度に変更
・撮影画像が明るい場合は、暗い場所に移動して撮影するか、レンズにNDフィルターが必要。
・ボディ右手前のダイヤルでシャッタースピードを5〜8秒程度に変更
・ボディ右手奥のダイヤルで絞りF22程度に変更
・撮影画像が明るい場合は、暗い場所に移動して撮影するか、レンズにNDフィルターが必要。
5.5 レンズの扱い方
Nikon D90にはAF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR IIが装着されている。
・フォーカス:マニュアル レンズにもあるがボディ側でMに切り替えておけば問題ない
・VR(Vibration Reduction、手ブレ補正):ON 三脚固定で行うのであまり意味はない
・VRモード:NORMAL
・LOCK:18mm 任意だが、暗い中で撮影することも多いので、18mm固定のほうが安全
・VR(Vibration Reduction、手ブレ補正):ON 三脚固定で行うのであまり意味はない
・VRモード:NORMAL
・LOCK:18mm 任意だが、暗い中で撮影することも多いので、18mm固定のほうが安全
6. LEDライトの貸し出し
6色のLEDライトを貸し出し可能。5セット準備。
1つのLEDライトに単3電池 x 3本必要。
1つのLEDライトに単3電池 x 3本必要。