1. DTPとは
DTP = Desk Top Publishing
1980年代に提唱された言葉で、「Desk Top=机上」、「Publishing =出版」の意味から、コンピュータを使った印刷物制作のことを言う。
パーソナル・コンピュータが登場した時代には、ノート型パソコンがラップトップ(膝の上の)パソコンと呼ばれるのに対して、持ち運ぶことのない箱型のパソコンは、机の上に置いて利用することが多いことが理由でデスクトップパソコンと呼ばれていた。
DTP以前のアナログの印刷物制作の工程が、コンピュータの導入によって劇的に変化した。それまでの手工業的、職人的な作業がコンピュータ上に集約することで急速に効率化されていった。PhotoshopやIllustratorなどのアプリケーションの登場がアナログデザインの限界を超えることを可能にし、グラフィックデザインの表現の幅を大きく広げたと言える。
また、CTP(コンピュータ刷版)やオンデマンド印刷、ネット印刷会社の登場など、デジタル印刷機器の発達やインターネットの登場により、簡易で安価な印刷物が作れるようになった。
2. 必要なハードウェア
・パソコン:Mac、Windows
・ディスプレイ
・入力装置:デジタルカメラ、スキャナ
・出力装置:プリンター(レーザー、インクジェット)
・外部記憶装置:USBメモリー、SDカードなど
・ペンタブレット、液晶タブレット
・インターネット
・ディスプレイ
・入力装置:デジタルカメラ、スキャナ
・出力装置:プリンター(レーザー、インクジェット)
・外部記憶装置:USBメモリー、SDカードなど
・ペンタブレット、液晶タブレット
・インターネット
3. 必要なソフトウェア
・Adobe Photoshop 写真、画像の編集(ビットマップデータの編集)
・Adobe Illustrator 図版、イラストの編集、一枚物のレイアウト(ベクターデータの編集)
・Adobe Indesign ページ物の編集
・Quark Xpress ページ物の編集
・Adobe Acrobat PDFデータの編集
・フォント管理ソフト(Font Book(MacOSX標準)、Suitcase Fusion)
・Adobe Illustrator 図版、イラストの編集、一枚物のレイアウト(ベクターデータの編集)
・Adobe Indesign ページ物の編集
・Quark Xpress ページ物の編集
・Adobe Acrobat PDFデータの編集
・フォント管理ソフト(Font Book(MacOSX標準)、Suitcase Fusion)
4. 印刷物制作の流れ
5. ビットマップデータとベクターデータ
ビットマップデータ(ラスターデータ)
Adobe Photoshop、Painter等で扱われる画像データのデータ形式。画素(ピクセル)が格子状に並んで構成されるデータで、拡大するとギザギザが目立つ。印刷画質が、解像度(dpiでは1インチあたりの画素数)に依存するデータ形式。
ベクターデータ
Adobe Illustrator、Adobe Flash等で扱われる図版、イラストのデータ形式。ベクター形式のデータは、データ内部で線や曲線を数式として扱っているため、図版やイラストを拡大・縮小・回転等を行っても画質が劣化することない。
6. 画素(ピクセル)と画像サイズ
ビットマップ画像を構成する最小構成要素のことを画素(ピクセル)と呼ぶ。
また画像全体の画素の総数を画素数といい、横のピクセル数×縦のピクセル数のことを画像サイズと呼ぶ。画像サイズのことをピクセル数と呼んだり、画素数=ピクセル数と考える場合も多い。また、画像サイズは印刷した時の大きさ(cm, inch)を表す場合もあるので、これらの単語は確認しながら使う必要がある。
画像サイズはデータ上の画質を確認する時に用い、解像度と合わせて印刷の画質の確認する場合に用いる。画素数はデジタルカメラの性能などで使われている。例えば600万画素と言えば3000ピクセル×2000ピクセル程度の画質で撮影できる性能と考えることができる。
7. 解像度
1inch(2.54cm)あたりの画素数のことを解像度と呼びます。解像度が高いほどキレイに印刷されます。
単位は、Photoshopで使われているようなデータの解像度はppi (pixels/inch)、プリンタの印刷解像度はdpi (dots/inch)を用いますが、ドットもピクセルもほとんど同じものとしてとらえてdpiが一般に使われています。
一般的印刷物の解像度は300~350dpiです。この値を基準にするとA4は300dpiで 2480px × 3508px、A1は300dpiで7016px × 9933pxとなり、出力する印刷サイズから必要となる画像サイズがわかります。ただし、ポスターなどの大判のものは、手にとって見る書籍やフライヤーと異なり遠目から見るものであるので、200dpi程度かそれ以下で制作される場合もあります。また、300dpi以上の高解像度データで印刷しても、印刷機が対応していなければ処理が重くなるだけでそれ以上キレイに印刷されません。
実際の印刷物の画質は、データ上の解像度だけでなく、印刷機の性能や紙質にも依存する「線数」が影響します。
8. CMYKとRGB
CMYK(カラーモデル)
色材の三原色と呼ばれるC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)に、印刷の文字等に多く使われるK(ブラック)を加えた色の表現法。CMYは減法混色と呼ばれ、色を重ねるごとに暗くなり、3つを等しく混ぜ合わせると黒色になる。(実際は濃いグレーになるため、印刷では上記のようにブラックが加えられている)パソコンのディスプレイは光の三原色であるRGBで表示されるため、ディスプレイで見た色と印刷の色の違いを理解した上で印刷物制作を行う必要がある。ちなみにブラックのKはBlackのkではなく、画像の輪郭など細部を示すために用いられた印刷板Key PlateのK。
RGB(カラーモデル)
ディスプレイやデジタルカメラで利用される光の三原色であるR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)を用いた色の表現法。RGBは加法混色と呼ばれ、色を重ねるごとに明るくなり、3つを等しく混ぜ合わせると白色になる。
9. レーザープリンタとインクジェットプリンタ
レーザープリンタ(CMYKプリンタ)
トナー方式のレーザープリンタは、使用するインク(トナー)が印刷と同じCMYKを使用して出力を行うプリンタ。
インクジェットプリンタ(RGBプリンタ)
インクジェットプリンタは、もともと写真の色表現を求めたため、色域の広いRGBカラースペースとなっている。印刷インクと同等のCMYKの4 色に、ライトマゼンタ、ライトブルーを加えることで、明るく鮮やかな印刷を可能としたプリンタ。
上記の理由から、ディスプレイ画面の色に近い発色をするのはインクジェットプリンターということになるが、印刷会社と異なり一般的なプリンターでは厳密なキャリブレーション(色調整)が行われていないため、ディスプレイ上の画面とは異なる色で印刷されるのは当たり前であり、そのことを理解した上でプリンターを利用する必要がある。
10. 網点
印刷物はインキの点の集合で表現され、網点(あみてん)と呼ばれています。
印刷会社の印刷機では、点で表現された4つ(CMYK)の版を浮世絵の重ね刷りのように刷っていく。現在の印刷技術は、重ね刷りと精密なモザイク画が組み合わさった原理でできていると言える。
肉眼では上記のように見えませんが、印刷会社では下図のようなルーペを使って印刷の品質を確認しています。
11. トンボと塗り足し
「トンボ」は印刷後に仕上がりサイズで断裁するための目印で、下図名刺では「コーナートンボ」と「センタートンボ」がつけられている。センタートンボおよびコーナートンボで見当をつけ、仕上がり線で断裁を行う。
※「トンボ」の名前は、センタートンボが昆虫のトンボに似ていることに由来する。
また、デザインとして印刷物の端まで写真や色を入れる場合は、断裁がずれた時のために、仕上がり線よりはみ出した状態で画像をレイアウトする必要がある。このはみ出した部分を「塗り足し」(裁ちしろ)と呼ぶ。